外国人材市場を知る 第2回| 外国人材需要が高い都道府県TOP10

2026/07/29
外国人材需要が高い都道府県TOP10

―愛知・東京・大阪・埼玉・千葉がリードする外国人採用市場―

人口減少時代、日本企業が求める外国人材市場の地域分析

はじめに

日本の外国人労働市場は、これまで東京や大阪などの大都市を中心に発展してきました。しかし、人手不足が深刻化する中で、外国人材を必要とする地域は全国へ広がっています。

地域によって産業構造や求められる職種は異なります。

愛知県では自動車・製造業、東京都ではIT・高度人材、大阪府では製造・介護・サービス、埼玉県では物流・製造、千葉県では物流・食品・介護など、それぞれの産業を支える存在として外国人材の重要性が高まっています。

本記事では、外国人労働者数、人材不足の状況、産業構造、特定技能分野の需要、ベトナム人材が活躍しやすい職種、将来性を総合的に捉え、外国人材需要が高い都道府県をランキング形式で紹介します。

なお、このランキングは一つの公的統計だけで順位を決めたものではありません。外国人材の採用支援を通じて得た現場経験と、各地域の産業構造や採用需要を踏まえた総合評価です。

ランキングの評価基準

評価項目 本記事における考え方
外国人労働者数 すでに形成されている外国人雇用市場の規模
人材不足度 企業が人材確保に苦労している程度
製造業規模 製造・加工・技術職の雇用を支える産業基盤
特定技能需要 特定技能人材を必要とする業種の広がり
ベトナム人材との相性 地域の主要産業と、ベトナム人材が経験を持つ職種との重なり
将来成長性 今後、採用需要の拡大が期待される産業や職種

外国人材需要ランキングTOP10

順位 都道府県 需要度 主な需要業種 ベトナム人材需要
1位 愛知県 ★★★★★ 自動車・製造・技術 ★★★★★
2位 東京都 ★★★★★ IT・サービス・高度人材 ★★★★☆
3位 大阪府 ★★★★★ 製造・介護・外食 ★★★★★
4位 埼玉県 ★★★★★ 製造・物流・食品 ★★★★★
5位 千葉県 ★★★★★ 物流・食品・介護 ★★★★★
6位 神奈川県 ★★★★☆ 製造・研究・IT ★★★★☆
7位 静岡県 ★★★★☆ 自動車・機械・食品 ★★★★★
8位 茨城県 ★★★★☆ 農業・製造・食品 ★★★★★
9位 福岡県 ★★★★☆ 半導体・IT・介護 ★★★★☆
10位 岐阜県 ★★★★☆ 製造・金属加工 ★★★★★

第1位 愛知県

日本最大級の製造業外国人材市場

愛知県は人口約750万人を有し、日本を代表する製造業集積地として大きな外国人材市場を形成しています。

自動車、自動車部品、工作機械、電子部品、金属加工などの分野では、外国人材が製造現場を支える重要な存在になっています。

求められる人材は、技能職だけではありません。機械設計、CADオペレーター、生産技術、品質管理などの技術職に加え、CNC加工、NC旋盤、組立、検査など、幅広い職種で需要があります。

ベトナム人材についても、製造・加工分野の経験を活かせる機会が多い地域です。

今後は、現場作業を担う人材だけでなく、技術、品質管理、生産管理などに関わる人材の必要性も高まると考えられます。実際の採用現場でも、将来のリーダーや管理人材を見据えて採用を検討する企業が見られます。

第2位 東京都

高度外国人材・国際人材の中心地

東京都の主要産業は、IT、金融、サービスです。

東京における外国人材需要の特徴は、単純な労働力不足だけではなく、専門的な能力を持つ人材が求められていることです。

特に需要があるのは、ITエンジニア、海外営業、国際業務担当、研究開発などの職種です。企業の海外展開やシステム開発を支える人材として、外国人の専門職を採用する動きがあります。

ベトナムではIT分野の人材育成が進んでおり、ソフトウェア開発、AI、システム開発、データ分析などの経験を持つ人材が、日本企業から注目されています。

東京は求人の選択肢が多い一方、企業間の採用競争も強い地域です。採用条件だけでなく、仕事内容、成長機会、職場環境まで含めた受入れ体制が重要になります。

第3位 大阪府

中小企業を支える外国人材市場

大阪府は、全国でも中小企業が多い地域です。

外国人材需要は、製造と介護で特に高く、外食や宿泊などのサービス分野にも広がっています。

主な分野 需要度
製造 ★★★★★
介護 ★★★★★
外食 ★★★★☆
宿泊 ★★★★☆

大阪では、大企業だけでなく、中小企業が外国人材の採用を検討するケースも多くあります。

採用現場では、勤務姿勢、周囲とのチームワーク、長期就労への意欲などが評価されるケースも見られます。企業と人材の条件が合えば、ベトナム人材にとって長く経験を積める可能性がある地域です。

第4位 埼玉県

首都圏の物流・製造を支える人材拠点

埼玉県は東京に近い地域でありながら、製造業と物流産業が発達しています。

主な需要分野は、食品工場、自動車部品、倉庫物流、介護です。東京を支える物流拠点や製造拠点が多く、現場を担う外国人材の需要があります。

東京都への通勤圏であることに加え、外国人住民も増えています。

採用競争が激しい東京だけに人材を求めるのではなく、埼玉県内で安定した採用を目指す企業も見られます。製造、物流、食品分野の経験を持つベトナム人材にとって、就職先の選択肢になりやすい地域です。

第5位 千葉県

物流・食品・介護で高まる外国人材需要

千葉県は、物流、食品、農業、介護など、外国人材が活躍しやすい産業が集まる地域です。

成田空港や港湾を背景とする物流産業、食品加工、野菜などの農業、高齢化に対応する介護分野で人材需要があります。

特に外国人材が求められているのは、食品加工、製造、介護、技術職です。

千葉県は東京都へのアクセスが良く、仕事と生活の両面から選択肢を検討しやすい地域でもあります。物流や食品分野を中心に、ベトナム人材の採用を検討する企業も多くあります。

第6位 神奈川県

製造・研究・ITの高度人材市場

神奈川県では、自動車、電機、研究開発、ITなどの産業が発達しています。

特に横浜・川崎エリアでは、製造業の技術職、研究開発、IT分野で外国人技術者が求められています。

現場技能だけでなく、専門知識や技術経験を持つ人材への需要があることが神奈川県の特徴です。ベトナム人材についても、エンジニアや技術職を中心に採用の可能性があります。

第7位 静岡県

製造業とベトナム人材の強い結びつき

静岡県では、自動車、バイク、食品、機械などの産業が発達しています。

製造業を中心に外国人材の雇用が広がっており、技能職から技術職まで幅広い需要があります。

加工、組立、検査などの現場業務に加え、機械や製造技術に関わる経験を活かせる機会があります。

地域の産業とベトナム人材が持つ製造分野の経験が重なりやすく、継続的な採用需要が期待される地域です。

第8位 茨城県

農業・食品・製造を支える外国人材

茨城県は、農業産出額が全国でも上位に位置し、食品加工や製造工場も多い地域です。

農業、食品加工、工場内の製造業務などを中心に、人材需要が高まっています。

特にベトナム人材やインドネシア人材の採用を検討する企業が見られます。

都市部とは異なり、地域産業を継続して支える人材として外国人材を受け入れるケースが多いことが特徴です。

第9位 福岡県

九州の外国人材ハブへ

福岡県では、IT、半導体、介護、観光などの分野で外国人材需要が増えています。

従来のサービス分野だけではなく、ITエンジニアや半導体関連の技術職など、専門人材を必要とする産業も成長しています。

福岡県は、県内企業の採用市場にとどまらず、九州全体における外国人材の受入れ拠点としても存在感を高めています。

ベトナム人材にとっても、IT、技術、介護など、複数の分野から仕事を検討できる地域です。

第10位 岐阜県

ものづくり企業を支える技能人材

岐阜県では、金属加工、機械、航空関連などの分野で外国人材需要があります。

特に中小製造企業では、加工や製造現場を支える技能人材の確保が課題になっています。

ベトナム人材についても、金属加工、機械操作、組立、検査などの経験を活かせる可能性があります。

大都市圏とは異なり、地域のものづくり企業を継続的に支える人材としての役割が期待されています。

TOP10地域の採用重点業種比較

ここまでのランキングは、各地域の外国人材需要を総合的に評価したものです。

一方、企業が実際に採用地域を検討する際には、その地域でどの業種の需要が強いかを確認する必要があります。

地域 第1需要 第2需要 第3需要
愛知 製造 技術 物流
東京 IT 専門職 サービス
大阪 製造 介護 外食
埼玉 物流 製造 食品
千葉 物流 食品 介護
神奈川 IT 製造 研究
静岡 製造 食品 技術
茨城 農業 食品 製造
福岡 半導体 IT 介護
岐阜 製造 加工 技能

同じ「外国人材需要が高い地域」であっても、求められる仕事は異なります。

採用する企業にとっては、自社の業種や仕事内容と地域の産業構造が合っているかを確認することが重要です。

ベトナム人材採用で注目したい地域

ベトナム人材採用で注目したい地域

次のランキングは、外国人材市場全体の規模ではなく、地域の産業とベトナム人材が経験を持つ職種との重なりを中心に評価したものです。

順位 地域 主な理由
1位 愛知県 製造業の人材需要が大きい
2位 千葉県 物流・食品分野の需要と生活環境
3位 静岡県 製造業との結びつきが強い
4位 大阪府 中小企業を中心とした幅広い需要
5位 埼玉県 首都圏物流と製造業の需要
6位 茨城県 農業・食品分野の需要
7位 岐阜県 製造・加工・技能職の需要
8位 福岡県 IT・半導体など成長産業
9位 群馬県 製造業を中心とした需要
10位 三重県 工業分野の人材需要

このランキングでは、地域全体の求人規模だけではなく、ベトナム人材が経験を活かしやすい仕事があるかという視点を重視しています。

今後5年間で外国人材需要に注目したい地域

今後5年間で注目したい地域

外国人材需要は、現在の人手不足だけで決まるものではありません。地域の産業投資や企業の成長により、今後新しい採用需要が生まれる可能性もあります。

熊本県

半導体産業の拡大に伴い、製造、設備、技術分野を中心とした人材需要の増加が期待されます。

千葉県

物流拠点としての役割に加え、食品加工や介護分野でも継続的な人材需要が見込まれます。

福岡県

ITと半導体産業の成長により、技術職や専門職を含む外国人材の採用機会が広がる可能性があります。

愛知県

製造現場を担う技能人材に加え、生産技術、品質管理、管理業務などを担当する人材への需要拡大が考えられます。

静岡県

製造業を基盤として、技能職と技術職の両方で外国人材を必要とする状況が続くと考えられます。

外国人材市場の勝者は「採用できる地域」ではなく「選ばれる地域」

外国人材の需要は、東京や大阪などの大都市だけでなく、日本全国へ広がっています。

自動車・製造業が強い愛知県、IT・専門人材が集まる東京都、製造・介護・サービス業を支える大阪府、物流と製造の拠点である埼玉県、物流・食品・介護で需要が高まる千葉県など、地域ごとに求められる人材は異なります。

今後、企業や地域にとって重要になるのは、外国人材を採用できるかどうかだけではありません。

仕事内容が明確であること、経験を活かせること、安心して働けること、将来の成長を考えられることなど、外国人材から選ばれる環境を整えられるかが重要になります。

ベトナム人材も、製造技術、介護、IT、建設、国際ビジネスなど、さまざまな分野で日本企業を支えています。

採用人数を増やすだけではなく、人材と企業の条件を合わせ、長く活躍できる環境をつくることが、これからの外国人材採用に求められています。

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