外国人社員の受け入れ実務|第6回 外国人社員の早期退職を防ぐために企業が行うべき面談とは

2026/07/21
外国人社員の早期退職を防ぐための定期面談

外国人社員の採用では、入社できたことがゴールではありません。実際の職場で仕事を始めた後に、会社側と社員側がお互いを理解できる環境を作れるかどうかが、その後の定着に大きく影響します。

特に、日本語でのコミュニケーションにまだ不安がある社員の場合、日々の業務の中で小さな疑問や不安を抱えていても、それを自分から伝えることが難しいケースがあります。そのため、日本語力がまだ十分ではない段階ほど、企業側から定期的に状況を確認する機会を作ることが重要です。

早期退職による企業側の負担

外国人採用では、採用が決まった時点で企業の負担が終わるわけではありません。求人作成、選考、入社準備、教育、現場での指導など、多くの時間とコストをかけて新しい社員を受け入れています。

FirstStepが外国人採用を支援する中で、企業側が負担している採用後のコストを分析すると、

入社後早期に退職となった場合、1人あたり100〜200万円程度の影響になるケースもあります。

もちろん、仕事内容との適性や必要な能力が十分に合っていない場合、早い段階で双方が判断することは、企業と本人の両方にとって合理的な選択です。

しかし、本来は継続できたケースが、コミュニケーション不足や小さな不安の積み重ねによって退職につながってしまう場合もあります。こうした「防ぐことができる離職」を減らすためには、入社後のフォロー体制が重要になります。

職場で生まれた小さな違和感が大きな問題につながる様子

小さな違和感は、放置すると大きな問題になる

外国人社員とのコミュニケーションでは、企業側が意図していないことが、本人には違う意味として伝わることがあります。

例えば、現場では親しみを込めて使われている「お前」という呼び方でも、日本の職場文化にまだ慣れていない社員の場合、「見下されている」と感じてしまう可能性があります。

また、先輩社員が仕事を教える際、普段の習慣で少し強い口調や大きな声になることがあります。日本人同士であれば「熱心に教えてくれている」と受け取れる場面でも、外国人社員にとっては「怒られている」「自分は評価されていない」と感じる場合があります。

重要なのは、どちらか一方が悪いということではありません。職場では、話す側の意図と、受け取る側の理解に差が生まれることがあります。その差を早い段階で確認する仕組みが必要です。

試用期間中こそ、短い面談を定期的に行う

FirstStepでは、外国人社員の受け入れを行う企業に対して、試用期間中は短時間でも定期的な面談を行うことを提案しています。例えば、入社直後から試用期間中は、週1回程度、5〜10分ほどの面談を実施します。

確認する内容は、難しい評価ではありません。

  • 仕事内容で理解できていない部分はないか
  • 指示の受け取り方で迷っていることはないか
  • 職場で気になることや不安に感じることはないか
  • 直接相談しにくいことがないか

このような小さな確認を積み重ねることで、企業側は問題が大きくなる前に対応できます。その後、仕事の進め方や職場環境への理解が深まった段階では、2〜3週間に1回程度へ頻度を調整することもできます。

重要なのは、すべての社員に同じ管理方法を当てはめることではなく、その社員の日本語力、経験、仕事内容に合わせてコミュニケーションの機会を設計することです。

面談担当者は、第三者の視点を持つことが重要

面談を行う際、必ずしも現場で指導している先輩社員だけが担当する必要はありません。もちろん、先輩社員は仕事内容を最も理解している重要な存在です。

一方で、外国人社員が抱える悩みの中には、現場での関係性や日々の指導方法に関するものもあります。その場合、本人が直接指導している相手には、本音を話しにくいことがあります。

そのため、FirstStepでは、現場とは別に、人事経験や外国人雇用への理解がある第三者が面談を行うことも重要だと考えています。

第三者が入ることで、次の立場から状況を確認できます。

  • 会社側の考え
  • 現場側の状況
  • 社員本人が感じていること

それぞれの立場を確認することで、客観的に状況を整理できます。目的は、誰かの問題を探すことではありません。お互いの認識のズレを早めに見つけ、より良い働き方につなげることです。

入社後のコミュニケーションが定着を支える

外国人採用では、採用することだけでなく、入社後に社員が安心して能力を発揮できる環境を作ることが重要です。

特に、日本語や日本の職場文化にまだ慣れていない段階では、企業側から積極的にコミュニケーションの機会を作ることが、定着につながる一つの方法になります。

小さな不安を早めに確認することが、社員の成長を支え、結果として企業側の採用コストや教育負担を守ることにもつながります。

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