企業向けコンミュニティ
外国人材の求人・採用に関する費用及び利益
前回では、外国人労働者にかかる実質コストについて見解を述べました。
今回は外国人労働者を長期雇用できない場合について、どのような損失となるかを分析したいと思います。
下記の「3年契約の実習生に関する月次推移(試算表)」をご参考していただきたい。
結果的には、受注単価60万円の業務の場合は、3年目でやっと採用コスト・教育コストなどを回収でき、一人当たり3年で累計108万円の利益となる試算である。
しかしながら、3次下請け、受注単価が低い場合はもちろん回収期間がもっとかかる。
又、実習生でなくても外国人労働者の場合は基本的に初期のコミュニケーションコストがかかるため、回収期間は日本人よりも長くなるのが一般的である。
コミュニケーションコストの削減は別途議論したいのですが、今回のシミュレーションでは下記のことをご理解頂きたいです。
① 3年で雇用契約終了すると、
   ・27ヵ月前に早期契約終了の場合は当該労働者に対して赤字となる
   ・改めて新人に採用コスト・教育コストがかかることとなる
   ・3年で採用コスト・教育コストを回収できない事業では、赤字となる
② 逆に3年後の契約が継続できると、
   ・追加コストをかからなくて、そのまま利益を伸ばせる
注)本シミュレーションでは昇給などの要素を省略している
やはり、日本国内の企業は日本人を雇用しましょう!
さて、どの様な場合、外国人を雇用すべきか?どうすれば長期雇用できるか?次回までお待ちください。


外国人求人について
前回では、外国人労働者に関わる悪循環について見解を述べた。
今回では、そもそも外国人労働者を雇用すべきかどうかについて解説を行う。
結論から言うと、日本人を雇用可能であれば、日本人を雇用した方が絶対良い。
なぜならば、外国人はどうしてもコミュニケーションという壁があり、それにコストが掛かっている。
下記の「実習生にかかっているコスト」を見てみましょう。
基本給18万円相当スキルの実習生でも、実質かかっているコストは月額38万円かかる。
採用コストを除いても、36.5万円程度となり、基本給30万円の日本人と同額となる。
ちなみに、前職のIT業界でも同様である。
3年経験の日本人システムエンジニア(SE)の場合、基本給は25万円~30万円が相場である。
外国人SEは大体同じ基本給となるが、間接コストがかかるため、結果的に日本人SEよりコストがかかっている。
やはり、日本国内の企業は日本人を雇用しましょう!


日本の労働者の実状
1960年代後半に、海外進出した日本企業が現地法人から現地社員を招聘し、技術や知識を習得した現地社員が、帰国後、その技術を母国(開発途上国)で発揮させたことから、国際貢献と国際協力の一環として1981年(昭和56年)に在留資格が創設された。
 外国人研修制度の推進団体である財団法人国際研修協力機構(JITCO)は、研修生・技能実習生の受入れを行おうとする、あるいは行っている民間団体・企業等や諸外国の送出し機関・派遣企業に対し、総合的な支援・援助や適正実施の助言・指導を行っている。また、研修生・技能実習生に対し、その悩みや相談に応えるとともに入管法令・労働法令等の法的権利を保障し、研修・技能実習の成果向上、研修生・技能実習生の受入れ機関と送出し機関等を支援している。
 1993年(平成5年)には、「学ぶ活動」である研修に加えて、「労働者として」実践的な技能・技術を修得するための技能実習制度が導入された。2010年(平成22年)7月1日に出入国管理及び難民認定法が改正され、生産活動などの実務が伴う技能習得活動は技能実習制度に一本化された。ただし、在留資格としての「研修」は廃止されず、座学など実務が伴わない形での技能習得のみが認められる資格として存続する。
一方、この10年、日本人口は減少傾向が続き、昨年末(令和2年)時点では15歳~64歳の人口は6割を下回った。
この状況の改善策として、2019年5月に特定技能資格が発行されたが想定通りの労働者が集まられずに来年(令和4年)には特定技能資格の労働年数制限を外し、より多くの外国人労働者が日本に来てもらえるように検討されている。
 実習生、特定技能労働者は想定通りに来日しないことの主な原因は低賃金である。
例えば、同じ介護スキルで、ヨーロッパかアメリカに行けば、基本給28万円もらえるが、日本に行くと22万円程度しかもらえない。しかも、日本の場合、単身赴任しかできないこともハードルである。
では、なぜ日本では低賃金となってしまっているだろうか?
主な原因は下記である。
① 採用コストが高い。
② 全体では外国人労働者と日本人担当者の間、コミュニケーションがうまく行かないため効率が悪くなる。
③ 低賃金により、早期退職率・失踪率が増加、又契約延長率が減少により、教育コストが増加。
これらの原因は相互的に影響し合い、悪循環が起き続けている。
①要因は、人気がないため、適材労働者を募集するため外国の斡旋会社に高い手数料を払わないとけないことが多くある。
一方、外国の斡旋会社は人気がない日本に対して、人を集めるためには、日本側が希望する基準を満たない労働者を提供することも多くある。
又、労働者に対して、働く環境・作業内容より遥かに良い様に説明し、来日後に現実を知った労働者は不満を招き③の結果に繋がってしまう。
それに、日本での働きに必要な勉強する意欲も薄くなり、②の結果に繋がるケースも多くある。
この悪循環が続く限り、外国人労働者雇用は会社に利益をもたらすことが難しく、会社が必要とする人財はいつまでも継続雇用不可能である。
果たして、外国人労働者雇用のあるべき姿は何だろうか?次回記事で深堀を行う。

 
 
外国人を雇用すべきか?どうすれば長期雇用できるか?
この数十年日本人口の減少傾向は止まらないため、特に力が必要な現場において募集をかけても仕事できる若い日本人を採用できない状況に陥ってしまっている。
今、20年前のように現場で苦労して成長したい10代、20代の若者の割合が激減してしまっているからである。
その結果、日本全国かつほぼ全ての業種において、外国人労働者が必要とされている。
一方、文化の違いにより、言語の壁により、外国人の生産性は日本人より低いのは一般的である。
又、物価の違いなどで外国人の賃金が安くても働いてくれると思われることが多い。
しかしながら、今回までの分析では、低賃金で雇用している外国人は実質コストが高いことはご理解頂いたと思う。
長期雇用できなければ、単純に短期的な「穴埋め」となり、会社が必要とする将来の人財を育つことは困難である。
この先10年で、外国人社員を中堅社員に育てる会社は確実に勝組となるでしょう!
日本人社員であろう、外国人社員であろう、自社で成長できるか安心できるか幸せになれるかを感じなければ仕事を数年でやめてしまう。
せっかくある程度育ったのに、転職したり帰国したりしたら損失額は短期雇用より大きくなり、多くの会社がやる前に諦めて、「穴埋め」戦略をとっている。
外国人社員に永く努めたい会社になるにはもちろん日本人社員より多くの工夫・知恵が必要とされるのは間違いないが、
日本の発展のためには、会社の成長のためには、その道を避けてはならない!
また、外国人社員も成長できる会社では日本人社員と切磋琢磨し、お互いがより早く成長できるようになる!会社にはより貢献できる!という相乗効果が起きる。
さて、外国人社員が何を会社に求めるか?次回までお待ちください。