外国人技術者の採用で実務経験だけでは判断できない理由

2026/07/27
外国人技術者の採用で実務経験だけでは判断できない理由

近年、在留資格と実際の業務内容との整合性が、これまで以上に厳しく確認されるようになっています。

外国人材を採用する企業にとって、これは無視できない問題です。応募者に十分な経験があり、企業側も業務を任せられると判断していても、それだけで採用を進められるとは限らないためです。

特に転職の場合、本人の現在の能力だけでなく、大学や専門学校で学んだ内容と、転職後に担当する業務との関連性も確認されます。そのため、採用条件を満たしている人材であっても、在留資格の面で不安が残り、企業が採用を断念するケースがあります。

学んだ分野と実務経験が一致しないケース

FirstStepが外国人求職者を支援する中でも、実務経験は十分にあるものの、学校で学んだ分野との違いによって転職が難しくなるケースを経験しています。

例えば、大学で林業を学んだ後、機械分野の業務に携わり、実務経験を積んできた人がいたとします。企業がその経験を評価し、機械系の技術業務を任せられると判断しても、本人の専攻と新しい業務との関連性について説明を求められる可能性があります。

また、ITを学んだ人が、その後に建設分野の技術業務を経験し、実際に必要な知識や能力を身につけている場合もあります。しかし、採用する企業が能力を認めていても、学校での専攻と転職後の業務に距離があることで、在留資格の確認が採用上の大きな課題になることがあります。

日本人採用とは異なる判断が必要になる

日本人の採用では、学校で学んだ専攻と異なる分野に就職することは珍しくありません。企業が本人の適性や経験を評価し、入社後の教育を含めて採用を判断することもあります。

一方、外国人材の採用では、企業と応募者の双方が合意しているだけでは十分ではありません。業務内容が在留資格の条件に合っているか、本人の学歴やこれまでの経歴との関係を説明できるかについても確認する必要があります。

この違いにより、企業が採用したいと考えた人材であっても、在留資格のリスクを理由に採用を見送らざるを得ない場合があります。

外国人技術者を採用できないことで企業側に生じる採用上の損失

企業側にも生じる採用上の損失

この問題は、外国人本人だけの問題ではありません。企業側にとっても、必要な実務経験を持つ人材を採用できない可能性があります。

特に技術者不足が続く分野では、学校を卒業した時点の専攻だけでなく、その後にどのような業務を経験し、どのような技術を身につけたかも重要です。実際の業務を通じて専門性を高めてきた人であれば、企業が求める条件に合うこともあります。

それでも在留資格への不安が大きければ、企業は採用活動に時間をかけた後で、手続きを進められないという状況に直面する可能性があります。

採用前に業務内容と経歴を確認する

外国人技術者を採用する際には、職務経歴書に記載された経験だけで採用可否を判断するのではなく、学校で学んだ内容やこれまでの業務と、採用後に任せる仕事との関係も確認することが重要です。

特に、専攻とは異なる分野で経験を積んできた応募者については、具体的にどのような業務を担当してきたのかを整理する必要があります。

業務名だけで判断するのではなく、本人が担当した作業、使用した技術、責任の範囲などを確認することで、新しい仕事との関連性を説明しやすくなります。

採用を決めてから在留資格の問題に気づくのではなく、選考の早い段階で確認しておくことが、企業と応募者双方の負担を減らすことにつながります。

実務経験もより評価される仕組みへ

FirstStepは、在留資格と業務内容を確認すること自体が不要だとは考えていません。専門的な在留資格が、実際の仕事内容に合っているかを確認することは必要です。

一方で、学校で学んだ専攻だけが、その後の長い職業人生を強く制限する状態には課題があると考えています。

卒業後に企業で教育を受け、別の分野で経験を積み、必要な技術を身につけた人もいます。そのような人材については、学歴だけでなく、これまでの職歴や実際に担当してきた業務も、より十分に評価されることが望まれます。

企業が必要とする能力を持つ外国人材を適切に採用できるようになれば、本人のキャリア形成だけでなく、技術者不足に悩む企業にとっても大きな意味があります。

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